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代表理事挨拶

昨今の自己啓発のブームに乗って、日本人でもスペインの巡礼路に興味を持つ人が増えてきました。
しかし、現在の日本には、サンティアゴ巡礼に関する情報センターも存在しなければ、携帯できる日本語のガイド
ブックもない状態です。今はまだ口コミ情報または英語や他国語サイトの情報に頼らなければ巡礼の旅の情報は手に
入りません。
そして何よりも残念なのは、「日本語の情報がない」という理由で巡礼の旅を断念したり、躊躇したりしている人が
多いという現実なのです。

本当に巡礼に行きたいのならば自分で情報を取ってくるだけの心意気があるはず、といわれる方も多いと思われます。
しかし、言葉の壁というのはなかなか超えられるものでもなく、それが重荷になって素晴しい体験のチャンスを逃す
のは非常に残念です。

もちろん、ポジティブな体験だけでなく、自分の心の中のネガティブな部分に直面することもあるでしょう。
しかしそれらは自分自身を様々な視点から捉えられる機会となり、心の成長の面から見ても大切な体験になると考え
ます。これらの心の成長は、例えばシニア世代なら人生の振り返りと再出発を、働き盛りならより高きを目指して、
主婦なら子離れ・親離れの問題を、若者世代なら自分を大切にすることを、子どもたちならチャレンジしていく精神
をというように様々な世代において精神的な発達を促すことを期待できるものです。

これらのカミーノの体験をした人が日本全国に点在し、各々がそれなりの普及活動を行っています。
しかし、それが単発に終わり、横の広がりがないままになっています。この現状を脱するために、友の会がその中心
となって彼らの活動を支援しながら人の輪を広げていければ相乗効果が発揮されることも期待しています。

日本にも巡礼路があります。何故人は巡礼をするのでしょうか。そこには人種を超えた何か共通点があるのではない
のでしょうか?
スペインという全く違うように感じられる文化、人々に触れながらもどこか懐かしいような、日本と共通する何かが
見つけられたとき、初めて真の国同士の理解が得られると考えます。互いの文化を尊重しあい、大切にすることで
より意味深い国際交流ができるのではないのでしょうか。
現地スペインの友の会が行っているそれぞれのカミーノの維持活動に合わせて、日本側からアプローチをし、その活動
に参画し、反対に日本の巡礼路も紹介し、お互いの巡礼路についての理解を深め合うために何ができるのか模索し、
実行していきます。

スペインの巡礼路の魅力に取りつかれてその感動をシェアしたい、巡礼路がつなぐ人の輪を大切にしたい、そして素敵
な体験を与えてくれる巡礼路の維持活動をしたい、このような思いで「友の会」の設立をいたしました。

日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会 代表理事

 金塚 多佳子