イギリスから海を渡って歩かれた最短の巡礼路
イギリス人の道は、中世にイギリス、アイルランドをはじめ、スカンジナビア諸国等からの巡礼者たちが、スペイン北西部の大西洋に面したア・コルーニャA CoruñaやフェロールFerrolの港に船で到着しサンティアゴ・デ・コンポステーラSantiago de Compostelaを目指したことに始まり、英仏間の百年戦争(1337年–1453年)の間に確立されたといわれています。
今日では、ア・コルーニャからサンティアゴ・デ・コンポステーラまでは72.4km、フェロールからは約111.5km。両巡礼路は、途中のオスピタル・デ・ブルマHospital de Brumaの手前で合流します。
イギリス人の道はガリシアの田園風景を楽しめる巡礼路でもあります。
多くの巡礼者は巡礼証明書のために、フェロールから歩き始めます。フェロールの港には、イギリス人の道の起点を示す石柱があり、その前の観光案内所ではクレデンシャルにスタンプがもらえます(開館日・時間に注意)。巡礼路は、港からフェロールの旧市街を通り、この地域の特徴である奥深い入り江のリア・デ・フェロールの海岸線に沿って対岸のネダNeda、フェネFeneと進み、ポンテデウメPontedeume、ミーニョMiño、ベタンソスBetanzos、ここから海と別れ内陸部へ入り、プレセドPresedo、オスピタル・デ・ブルマ、シグエイロSigüeiroを経てサンティアゴ・デ・コンポステーラに至ります。
巡礼路では、ポンテデウメとベタンソスの街の出口の急な登坂以外には大きなアップダウンは少なく、巡礼路をとおして目印となるモホンや矢印はよく整備されています(例外的に、ア・コルーニャとフェロールの街からの出口は迷いやすいといわれています)。
水と非常用食料の携行はどの巡礼路を歩く際にも必須ですが、イギリス人の道では特にベタンソスとオスピタル・デ・ブルマの間の24kmで、プレセド以外にレストランがなく、またバールも出発地と到着地の間際に2軒しかないため、忘れずに準備しておくことが大切です。
イギリス人の道のもう一つの出発点であるア・コルーニャは、海に囲まれた美しい街です。世界遺産となっているローマ時代に建設された世界最古の灯台であるヘラクレスの塔、サン・アントン城、12世紀に建てられたサンティアゴ教会、ガラス窓が美しいビルが並ぶマリーナ大通りなどの見所があります。
フェロール 出発点の目印
ポンテデウメ
イギリス人の道の行程
注1) 行程(Etapa)、施設はGronz.comを参照しております。
注2) Gronz.comに記載の無い標高の一部個所はEroskiy Consumerを使用しました。
主要出発地への行き方
出発地
コルーニャ(A Coruña)
フェロール(Ferrol)
▼マドリッド・バラハス空港(MAD)から⾏く場合