ル・ピュイの道 | CAMINO | 日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会

フランス国内4大巡礼路で最も美しい道

フランス国内にはサンティアゴ・デ・コンポステラSantiago de Compostelaに向かう有名な道が4本あります。北から並べると、ひとつはパリParisから、次にヴェズレーVézelayから、そしてこのル・ピュイ・アン・ヴレ Le Puy-en-Velay、最後に一番南のアルルArlesからの４本であり、アルルからの路を除くと、すべてサン・ジャン・ピエド・ポルSaint-Jean-Pied-de-Portに向かいそこで交わっています。

このル・ピュイの道は、フランス国内4大巡礼路の中でも最も美しいと云われており、人気があります。巡礼路の景色はいうに及ばず、途中のコンクConques、カオールCahors、モアサックMoissacなどの街や村にはロマネスク様式の教会や、彫刻など有名かつ重要なものが多く残っています。

ル・ピュイ・アン・ヴレの街の中心部、岩山の上に建つノートルダムNotre-Dame教会が巡礼の出発点です。大まかに言えば、ここから中央山塊の高原地帯となり、カオール迄続きます。カオールからは比較的平坦な平野部になり、そしてこの道の終点であり、またスペインの「フランス人の道Camino Francés」の出発点で、ピレネーPyrénéesのふもとにあるサン・ジァン・ピエ・ド・ポルに続いています。この道はフランス国内のハイキングコースGR65と並走しています。
冒頭にも述べたとおり、この道は大変人気があり、季節によっては多くの人が歩くため宿泊施設ジットGîteの確保が困難な場合があるので、早めに予約することをお勧めします。

出発地ル・ピュイ・アン・ヴレには、パリのリヨン駅Gare de LyonからTGVに乗りフランス中部の都市リヨンLyonに行き、ここでローカル線SNCFに乗り換えてサン・ティエンヌSt-Etienne迄行き、さらに乗り換えて（バスの場合がある）ル・ピュイ・アン・ヴレに行きます。ル・ピュイ・アン・ヴレは岩山の上のノートルダム教会を中心に発達した街であり、教会には「黒いマリア像」が祭られており、中世の黒マリア信仰が盛んな地域でした。ここから少し離れた標高82mの孤立した火山岩の頂に建つのは、ロマネスク様式のサン・ミッシェル・デギィル教会Rocher et Chapelle Saint-Michel d’Aiguilheで巡礼前に是非訪れて下さい。
巡礼者は、ノートルダム教会で毎朝7時に行われる巡礼者送り出しのミサに出席し、祝福を受けて歩き出します。ル・ピュイ・アン・ヴレからは直ちに高原地帯に入り、天候に恵まれれば素晴らしい景色を楽しみながらの歩きとなります。

注１：参考文献
巡礼案内書:　Miam miam Dodo Le Chemin de Saint Jacques de Compostelle La Voie du Puy ISBN 978-2-916446-24-0

注2 ：　地名の日本語表記はGoogle Mapを使用しています。

ル・ピュイの道Le chemin du puy 地図