金銀をローマに運んだ交易路が元になった巡礼路
銀の道はアンダルシアの州都でスペイン第4位の人口を擁するセビージャSevillaからひたすら北上しアストルガAstorgaでフランス人の道と合流する約705Kmのルートです。アストゥリアス州のヒホンGijónとセビージャの南にあるカディスCádizの港町を結び北部で採掘された金銀を輸送した古代ローマの交易路「銀の道」が巡礼路として振るう様になりました。
コロンブスの墓のあるセビージャ大聖堂でクレデンシャルにスタンプを貰って巡礼路を歩き始め、イスラム時代の名残を感じるサフラZafraを過ぎてローマ時代の遺跡の残るメリダMerídaへ向かいます。この区間はいまだ原野も多く橋の無い小川や用水路があり大雨の際には大きく迂回を余儀なくされる個所もあります。
イベリコ豚を飼育している牧場を見ながら更に北上し、中世の町の雰囲気が残るカセレスCáceresを過ぎると、やがてカパラ遺跡の銀の道を象徴する石の門が迎えてくれます。温泉のある観光地で有名なバニョス・デ・モンテマヨールBaños de Montemayorから峠を越えるとスペイン最古の大学があるサラマンカSalamancaです。この区間にはローマ時代の石畳や橋も残っており古代の交易路の雰囲気を感じることが出来ます。
サラマンカからサモラZamoraまではかつての巡礼路は無く国道沿いの平坦で単調な道路脇を歩きますが、サモラの北のグランハ・デ・モレルエラGranja de Moreruelaの町からオウレンセOurense経由でサンティアゴ・デ・コンポステーラSantiago de Compostela へ向かうサナブレスの道(camino Sanabés)を歩く巡礼者もいます。サモラから更に北上するとベナベンテBenabenteの街を経てアストルガに到着してフランス人の道(camino Francés)へ合流します。
セビージャからアストルガまでは約27日(Etapa)でサンティアゴ・デ・コンポステーラまでは更に約260km(約11日)あります。一日の行程が30Kmを超える区間もあり多くのスペイン国内でも長い道で過酷な巡礼路と言えます。
更にアンダルシアの夏は暑く歩くには厳しい為、早春(4月頃)にセビージャを出発するのがベストシーズンです。
セビージャ・スペイン広場
ローマ時代の道標
銀の道の行程表
注1)行程(Etapa)及び施設はGronz.comを参照しております。
注2)標高については一部Eroski Consumerを使用しております。
主要出発地への行き方
出発地
Sevilla(セビージャ)
▼マドリッド・バラハス空港(MAD)又は欧州主要空港から行く場合
出発地
メリダ(Merida)
サマランカ(Salamanca)
サモラ(Zamora)
▼マドリッド・バラハス空港(MAD)から行く場合
出発地
オウレンセ(Ourense)
▼マドリッド・バラハス空港(MAD)から行く場合
▼サンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)から行く場合