コンクConquesは「フランスで最も美しい村」の一つ。本コースでも人気のスポットです。サント・フォア教会Cathedrale Ste-Foyは13世紀末に造られた巡礼路の中でも最も古いロマネスク様式の建物です。ここでは、夕方に巡礼者のためのミサと、パイプオルガンのコンサートが行われます。ここから巡礼路は細かいアップダウンを繰り返し標高は200~300mまで下りますが依然として山間部と農村風景が続きます。
人口1万人のフィジャックFigeacはル・ピュイの道節目の町でロカマドールRocamadourへの分岐点になっています。巡礼スタートから約250Km、この辺で休息日を取るのも良いでしょう。鉄道を利用すれば日帰りでロカマドール観光も可能です。
フィジャクからは山間部を抜けてほぼ標高300m以下の平坦な道が続きます。ゆるやかな下り道を下りきると、本コース最大の街、三方向をロット川に囲まれた人口2.1万人のカオールCahorsに着きます。
カオールの街は三方をロット川に囲まれた開けた町。ローマ時代にはすでに重要な町として栄え、ガリア＝ローマ時代の浴場が今も残っています。人口約２万人のメイン通りにはショップや飲食店も多く都会の雰囲気があり宿泊施設も整っています。街に入って訪れたいのは世界遺産のサンテ・ティエンヌ教会Cathédrale Saint-Etiennedです。ここから巡礼路はロット川Le Lotにかかる世界遺産に指定されたヴァラントレ橋Pont Valentréを渡り、細い急登を登った先に大きな十字架のある広場が開けカオールの町が一望できます。
「フランスで最も美しい村」の1つモンキュMontcuqまでは平坦な道が続きます。14世紀に建てられた市庁舎では16世紀の鐘楼が鑑賞できます。次に目指す「フランスで最も美しい村」の1つのロゼルトLauzerteは緩やかなアップダウンを繰り返しロゼルトが見えてからの坂道は思いの他厳しい道です。この村は中世に新しく築かれた計画都市の1つで村の中心にアーケードを備えたコルニェール広場があり、存在感を放つサン・バルテレミ教会Église Saint Barthélemyの祭壇画はバロック期の傑作として名高い作品です。
次の目的地モアサックMoissacまではおおむね平坦な道が続き風景もすばらしい区間です。モアサックの７世紀に建てられたサン・ピエール修道院付属教会Abbaye Saint-Pierre de Moissacのロマネスク様式のタンパン彫刻とフランス一美しいと言われる回廊は一見に値します。この修道院はサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路の要所であり、世界遺産に登録されています。
Chapelle de Saint-Sernin-du-Bosc de Lauzerte
Abbaye Saint-Pierre de Moissac
モアサックから先はガロンヌ運河沿いの道と内陸部のGR65を歩く二通りがあるが運河沿いのほうが平坦で距離も短いのでお勧めです。いくつかのかわいい船が浮かび、きれいな運河の遠く先に２基のゴルフェッシュ原発２基がそびえて立つ姿はシュールな風景です。
次の村に行く手前に急登で心臓破りの坂道の上に「フランスで最も美しい村」の1つとされるオーヴィラールAuvillarがあります。城壁に囲まれてその昔は宿場町として栄え、村へは３つの門の1つから入ります。円形市場は見どころです。焼き物に最適な粘土と泥灰岩がよく産出されオーヴィラール陶器博物館には当時のオーヴィラール焼きのコレクションがあります。観光地でもある為かホテルやレストランも多く休息に最適な街です。
オーヴィラールからレクトゥールLectoureはアスファルト道もあり小さなアップダウンを繰り返して村に着きます。レクトゥールは岩山の上にあり周囲の丘を見下ろすような場所にあり、かわいい路地や美しい石造りの家々が並ぶきれいな街並みが印象的です。3kmにわたる城壁、大聖堂など観光にも事欠かない街です。レクトールから穏やかな傾斜の麦畑を歩いて行くと突然目の前に大きな世界遺産の教会サン・ピエール参事会教会Église Saint-Pierre – Le Corbusierが現れます。
La Garonne
GR65 道標
ラ・ロミューLa Romieuの村は昔から猫の伝説が語られる「猫の村」としても知られ猫の石像があちこちに建ち、ここも「フランスで最も美しい村」の１つに認定されています。 ラ・ロミューからなだらかなアップダウンの穀倉地帯を歩きながら下ったところの村コンドンCondomに到着します。
尚、レクトールからコンドン間の道が世界遺産として登録されています。
